看護師一年目の壁「リアリティショック」

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CASE3:理想と現実に愕然!リアリティショック

CASE3:理想と現実に愕然!リアリティショック

研修のガイドライン

平成22年の4月から新人看護職員研修のガイドラインが厚生労働省によって作られたのを知っていますか?このガイドラインに準じて新人看護師に対して質の高い教育が行われるようになりました。ではなぜこのようなガイドラインが作られたのかということを考えてみましょう。
ガイドラインによって新人看護師の教育の質を高めた理由、それには新人看護師の離職率が大きく関係しているんです。平成19年度の離職率を例にして見ていきましょう。この年の看護師国家試験に合格した人数は約46000人なので、46000人の新人看護師が誕生していることがわかります。一方、一年以内に離職した新人看護師の割合は9.2%。なんと約4000人の新人看護師が離職しています。せっかく多くの看護師が誕生したのに、離職する看護師も多いとは……。この離職率の高さは人材不足となっている看護業界にとって大きな損失ですよね。
その損失を食い止めるために、日本看護協会と厚生労働省が新人看護師の離職率を下げようと試みた施策のひとつが「新人看護職員研修のガイドライン」なのです。離職状況や離職理由などを分析して作成されているため非常に高い効果を出しており、ガイドラインを設ける前に比べると新人看護師の離職率は減少傾向にあります。

離職理由について

離職率が減少傾向にあるとはいえ、0になったわけではありません。新人看護師が辞める理由、つまり乗り越えられなかった壁とは一体どのようなものなのでしょうか?それは「基礎教育が終了した時点の能力と、現場で求められる能力の差が激しかった」ということが大きな理由だといわれています。
どういうことかというと、現場の仕事についていけるよう研修をしたにもかかわらず、実際に現場に出てみるとより一層自分の無力さを感じてしまい精神的なショックを受けてしまう、つまり「リアリティショック」が原因とされています。

リアリティショック

学生生活を終えて看護師の仕事をスタートした新人看護師のほとんどは実際にどれくらい自分の力が通用するのかわかっていません。まだ現場を経験したことがないので当然ですよね。しかし多くの新人看護師たち、特に理想やプライドの高い人たちは自分の能力を過大評価している傾向がありため、実際に現場を経験して自分はこんなこともできないのかとショックを受けてしまうのです。
看護師も他の仕事と同様に目標と理想を持って仕事をしなければ成長することはできません。こんな看護師になりたい!という希望や、目標、そして理想の看護師像を抱いて近づこうと努力しなければならないのです。でも、その理想と現実のギャップが大きければ大きいほど衝撃も大きくなってしまうんですね。リアリティショックは看護師として仕事をしていく中で、誰しもが一度はぶつかる壁なのです。

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